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ボッティチェリの春の女神のワンピース

ボッティチェリが好きです。

記憶をさかのぼると、自分がまだ幼少の頃、いだだきものの高級なクッキーの缶箱にボッティチェリのビーナス誕生の絵がプリントしてあった。。というのが初めてのボッティチェリとの遭遇です。絵なのにホンモノみたいとか、貝に女性がのってて人魚なの?とか、背景の水色がきれいとか、ビーナスの表情が不思議とか、そのイマジネーションに圧倒されて、心に焼き付いてしまいました。

2番目の遭遇はアドビのソフト(Illustrator ver 8.0〜)のビーナスの目アイコンでしょうか。(・・まあ、それは置いといて)

 

何か好きかというと、明るい色彩と、ある種の分かりやすさです。写実的なデッサンからみると、デッサン狂ってるよ〜と思う所がありながら、絵の魅力というのは、そこではないと言ってくれる存在だからでもあります。

初期ルネッサンスならではのちょっと平面的なところも、親しみやすいです。リアリズムを追求しすぎない、絵としてのバランスがちょうどよく、イラストを描く際の参考にもなります。

 

さて、プリマベーラ“春”の絵に出てくる中央から右側の女性が春の女神フローラです。典型的なボッティチェリの描く女性の顔です。着ているワンピースの花柄模様がかわいいな、こんな柄のワンピースあったら欲しいかも!と画家の目だけでなく女子の目でもワクワクします。偉大な先人から学ぶために、とりあえず描いてみました。完璧に模写したわけではなくボッティチェリ的要素を再構成した絵になります。人物をいかすための木の配置とか、書き割り的な主役と背景の強弱の付け方とか、密度の付け方とか、描いたことによる収穫が多くありました。学ぶなら好きな人から。実際描くと、見てるだけでは気づかない絵の工夫が見えてきます。古典絵画は学びの宝庫です。